| 業界 | 製造業 |
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| 分野 |
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| エリア | 大阪府 |
| 対応時期 | 2023年 |
| 期間 | 3ヶ月 |
サービス内容
| 利用サービス |
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| 課題 |
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| 納入物 | 組付け確認装置 |
ご依頼内容
複数の細かい部品が取り付け(装着)されているゴムローラーの軸部において、正しい部品が、正しい順番で、正しい位置に装着されているかを自動で確認したいというご相談がありました。
実現したいことは以下のとおりです。
- ゴムローラーに取り付けられている各種部品が正しく装着されているかチェックしたい。
- 必要な部品が正しい順番で正しい位置に装着されているかチェックしたい。
- 欠品がある場合、抜けている部品が何か分かるようにしたい。
従来は目視確認が中心で、作業者の負担増、確認漏れ、検査工数の増大が課題となっていました。
そこで、画像処理システムおよびAI(人工知能)を活用した検品作業の自動化が実現可能であるかを、以下の要件で検証・開発したいというご相談でした。
要件
- 部品の組み付け状態の自動判定:必要な部品が「正しい順番」で「正しい位置」に装着されているかの判定ができること
- 欠品検知と特定:部品が不足している場合、どの部品が欠落しているかを即座に特定できること
- 多本数同時判定:検査スループット向上のため、複数本のゴムローラーを一度に撮影・一括判定できること
一方で、次の内容は難易度や実運用も踏まえ、実現性を見極めたうえで検討する前提としました。
- ベアリングなど同種部品のサイズ違いの判別
- 数ミリ単位の細かい位置ずれの検出
対応と結果
最適化された撮影環境とAIアルゴリズムの選定
まずは実現性を確認するため、1000万画素カメラ2台と8mmレンズを使用し、複数本のローラーが同時に収まる画角を確保したうえで、ゴムローラーを真上方向から撮影する構成で検証しました。
AIアルゴリズムは、リアルタイム物体検出に優れたYOLO(You Only Look Once)を採用しました。各部品を学習させることで以下が可能であることを確認しました。
- 高精度な物体検出:各部品の有無判定および、欠品時の部品特定
- シーケンスチェック:部品が正しい順序で配置されているかのロジック判定
また、部品同士が重なって見えにくくなるケースや、リングのように真上からでは視認が難しい部品については、左右斜めから2台のカメラで撮影する方式に切り替えることで検出精度の向上を図りました。
検証の結果
- 実用化可能:現場運用に耐えうる精度で判定可能と判断しました。
- 部品の有無
- 部品の順番(組み付け順序)
- 次フェーズ検討:本案件の光学条件下では難易度が高いと判断し、次フェーズでの継続検討事項として切り分けました。
- 同種部品のサイズ違いの判別
- 2mm以下の微細な位置ずれ検出
その後、本案件では、ソフトウェアと装置をゼロからオーダーメイド開発し、AI判定機能に加えて、生産ライン組み込みを前提とした運用機能を実装しました。
- PLC連携:品種切り替え、判定開始トリガー、判定結果(OK/NG/ワーク無し)の入出力
- 操作系対応:物理ボタンによる判定スタートにも対応
- 判定結果の出力:OK/NG/ワーク無しをPLCへ出力
- NG理由の番号出力・ログ保存:不良要因の可視化と追跡を可能に
- トレーサビリティ:ロット番号管理、投入数・NG数の集計表示
- 現場向けUI:AI学習・アノテーション(ラベル付け)・テスト機能を備えた専用画面を構築
これにより、単なる「検査の自動化」に留まらず、生産現場で使い続けられる組付けチェックシステムとして運用できる形を整えました。さらに、ログと集計を活用することで、データに基づいた品質管理体制の構築も支援できるシステムとなりました。