半導体製造の現場では、外観検査後に残ったチップの数量を正確に確認する作業が課題となっています。
本記事では、その数量確認を効率化するために開発された自動カウントツールをご紹介します。
チップ数量の確認ツールが求められた背景
半導体の微細化が進み、1枚のウェハから得られるダイの個数は数千から数万個に及ぶようになりました。ダイシングを終えた時点では、その数は明らかになっていますが、外観目視検査を経て不良チップを抜き取ったり、バッドマークを付けたりすると、残った良品数を再度確定する必要が生じます。
このカウント作業は、計数機能のある半導体検査装置に戻してカウントする方法もありますが、工程を止めてまで行うのは現場にとって大きな負担になります。また、微小チップが数万個単位で並ぶ状況では、人手でのカウントも現実的ではありません。
こうした課題を解決するために、数百万円規模の専用装置を開発・導入している企業もありますが、「ただ数を数える」ためだけにそこまで投資するのは過剰と言えます。そのため、よりシンプルかつ低コストで、数量確認を自動化するツールが求められました。
半導体チップの個数カウント原理
そこで登場するのが、当社で開発した画像処理技術を応用した自動カウントツールです。ダイシング後のチップが貼られたフィルムフレーム(ダイシングテープ)をカメラ下に置くだけで、非接触でチップ数を自動認識・集計します。
原理としては「パターンマッチング」と呼ばれる画像処理手法を採用しています。良品チップのマスタ画像を登録し、それと一致するものを全体から高速に検出することで、数万個単位のチップでも短時間で正確にカウント可能です。
例えば下図は、カメラ映像内で認識されたチップを緑色にマーキングした例です。オレンジ色の枠内にフレームを収めて撮影すれば、ソフトウェアが自動で認識を開始し、その総数を表示します。1mm以下の極小チップでも認識可能なアルゴリズムであり、人手を介さず短時間で正確にダイ数を数えられるのが本ツールの特徴です。
ツール導入のメリット
- 数量確認作業の効率化:カメラの前にフィルムフレームを置き、ボタンを押すだけで数万の半導体チップを数秒で計数できます。
- トレーサビリティの向上:計数結果はデジタルデータとして自動記録され、ロット管理に活用可能です。
- 既存検査装置との棲み分け:外観検査は既存装置に任せ、本ツールは数量確認に特化。無駄のない工程設計が可能。
活用シーン
- 手動ピック後・不良マーク後の確認:手作業でチップをピックアップ(取外し)した後やバッドマーク処理を行った後に、良品数量を確認する用途。特に開発段階や小ロット生産では、人手によるピック&プレース後の残数確認に重宝します。
- 少量多品種・試作ラインでの利用:大規模量産ラインまでは必要ない工程や、多品種を扱うFAラインでの数量チェックに適しています。自動機を導入するほどではない現場でも、本ツールを使えば短時間で正確なカウントとデータ記録が行えます。
当社の半導体チップ数量カウントツールが安価な理由
当社のチップカウンターは、カメラと照明、そして撮影ボックスというシンプルな構成で成り立っています。エリアセンサ方式を採用しているため、カメラを動かしたり対象物を移動させたりする必要はなく、可動部を一切排した設計になっています。これにより構造が単純化され、故障リスクの低減と同時に低価格化を実現しました。
人手でカメラ下に置く手間はあるものの、本ツールは数量確認に必要な機能だけに絞り込むことでシンプルかつ低コストを実現しました。過剰な投資を避けながら効率的にチップ数を把握でき、現場の負担を軽減します。また、購入に加えてレンタルでも利用できる価格帯に抑えられており、導入のしやすいさも大きな特徴となっています。
まとめと製品のご案内
以上のように、チップカウンター(半導体チップの数量自動計数ツール)は現場の負担を軽減し、信頼性の高い数量データ管理を実現します。仕入先から入荷納品されるチップ数量の検品や、次工程へ出荷するときの員数チェックにおいて強力なサポートツールとなるでしょう。手軽に数をカウントしたい企業様はぜひ本ツールの導入を検討してみてください。
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